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第1回シンポジウム報告(令和4年度)

第1回シンポジウム報告

          日時  令和4年8月11日(10:00~13:00)
          形式  Zoomによるオンライン研修
          題目  民事信託と事業承継
          講師  島本 広幸(税理士法人ベリーベスト 所属税理士)
          コメンテーター 藤井 保憲(東亜大学大学院税法教授)
               蓑輪 靖博(福岡大学教授、本学民法ゼミ非常勤講師)
          参加者 106名

 「民事信託と事業承継」をテーマに、東亜大学大学院法学専攻修了生の島本広幸先生が講師となり、以下の内容について具体的な事例をあげながら話をされました。
○信託とは何かを信託法に基づき説明し、その中で委託者、受託者、受益者の関係を分かりやすく話した。
○何のために信託するのか、信託目的の重要性について説明した。
○信託行為の3パターンである「信託契約」、「遺言信託」、「信託宣言」について、それぞれを比較しながら説明した。
○銀行の「遺言信託(サービス)」と信託法でいう「遺言信託」を比較しながらその違いを明確にした。
○信託法でいう「遺言信託」の柔軟性について、「法定後見」、「任意後見」、「遺言」との違いを比較しながら説明した。
○「遺言信託」と「遺言代用信託」について、事例を上げてその違いを説明した。
○後継ぎ遺贈型受益者連続信託について、そのイメージと信託期間などを図で示しながら説明した。
○信託の税制の中から「受益者等課税信託」を取り上げ、委託者と受益者が同一の場合の課税、また委託者と受益者が別の場合、いわゆる他益信託の課税について、所得税法12条及び13条、法人税法12条、相続税法9条の2を基に説明した。

 以上の説明の後、講師は現在議論されている次の2点について、その論点を話しました。

① 遺留分について  ②債務者控除について

 次にコメンテーターの藤井先生と蓑輪先生から、参加者の理解をより深めるために下記のコメント(質問)がありました。
○実務の経験から、民事信託のどこが最も納税者にアピールしているか教えて頂きたい。
○事業承継に信託を利用する場合、税の面でのメリット(税の軽減等)についてお聞きしたい。
○信託を使わないと出来ないことがあるのか、また、信託を使わないと出来ないことと他の制度を利用出来ることについて整理することも重要だと考える。

 これらのコメント(質問)に対し講師は適格に答え、コメンテーターの先生方も了解されました。

 引き続き当日参加者の中から4人の方が信託についての疑問点を質問し、講師はそれぞれ丁寧に答えました。
 最後に、参加された東亜大学の先生方から「大変充実した有意義なシンポジウムでした。」などの感想や講評をいただいた後、シンポジウムは閉会となりました。

 なお、このシンポジウムは国内すべての税理士会の認定研修に認定され、参加者は自動的に研修時間が加算されました。

 


 

《過去のイベント》
 ・2018年度の設立総会の模様はこちら
 ・令和元年度の会員総会・シンポジウム・懇親会の模様はこちら
 ・令和元年度の関西地区シンポジウムの模様はこちら
 ・令和元年度の九州地区シンポジウムの模様はこちら

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